究極の自分語り

 

 

趣味と言うほど大したものでもなかった気がする。

言うなれば「チラシの裏」程度だったし、まず決して上手いわけでも個性があるわけでもない。

あと、自分は最悪なことに努力しない人間だった。

色々と教本のようなものを買ってみたが、長続きしなかった。当然上手くならない。当たり前だ。

努力しないで朝起きたら上達してました、とかいう展開は異世界転生モノか無双系でやってほしい。

現実にそんな人がいたら、それこそ利き腕にかじりつきそうだから。

ここまでとりあえず書いてみて、やっと「私の趣味(だった行為)はこれです!」という話をしてないことに気付いた。

そんで、なんて書けばいいのかと手が止まって、5分程経ったので諦める。

 

ここから面白くない自分語りになるけれども、自分はえをかくことが趣味だった。

小学校の自由帳に始まり、百均に行けば母にお絵かき帳をねだり、父のPCを借りてマウスでふにゃふにゃの人間をかいた。

画用紙にゴテゴテのシールを貼って、スッカスカの前髪の女の子を飾って遊んでいた。複雑骨折とかパースとか、そんなもんはどうでもよくて、作る過程を楽しんでいたような気もする。

中1でオタク友達から某支部を布教され、アニメ系の絵を描きたいと思い始めた。

しかし鈍臭い自分は同級生と先輩にヒエラルキーの何たるかを叩き込まれ、クラスと部活で人権を喪失。バレー部を辞め、美術部に入る。

自分の入ったそこはアニメや漫画、イラスト、バンドが好きな人が多かったので、好きな作品を語れる同級生や顧問となんとか3年乗りきった。

 

中3から高2まではとにかくおえかきが楽しくて、今思えば恥ずかしいくらいのものを嬉々としてTwitterに載せていた。

♡が1つでもつけば嬉しくて気持ち悪い笑顔を滲ませていたし、RTされた先で感想を貰えば何回も見返した。お世辞とか付き合いとか、そういう発想はなかったのだ。

好きでもないものは流しておくはず、ムリに感想言うなんてことないだろうと。知らんけど。

で、ここからやっとタイトルの話。おえかきやめたのなんでかな。

大変申し訳ないことに、はっきりした時期も理由もよく分からない。が、気持ちの整理のためにとにかく心当たりを書いていこうと思う。

さてウン年の付き合いだった「おえかき」と距離を置こうと決めたきっかけだが、

自分の絵が生理的に無理だった

これ。3ヶ月ほど前から、自分の載せた絵を見る度に気分が悪くなることがちらほらあった。

 

かいているときは特に何とも思わない。

時々本やネットで「体の描き方」「デフォルメ 描き方」とかなんとか調べながらとりあえず終わらせていたのだが、いざTwitterに放流してみたらどうだ。

肩幅は狭すぎるし、顔のパーツの位置が何だかおかしいし、頭の形が胎児かエイリアンみたいだとか、首細くね?とか、胴体が長いとか腕が手が厚みが、とどんどんダメなところが自己主張を始める。

なぜ最初から存在をアピールしない。かいてるときに言ってくれ。「ここおかしくない?」って。

下手になったのか神経質になったのかは分からないが、以前より気持ち悪い部分を強く多く意識するようになり、ある時は1日、ある時は数時間経つとゼエゼエ言いながらツイートを削除していた。

自分のかいたものが検索に引っかかったらどうしようと謎の恐怖を抱き、キャラ名や作品名を入れないようにした。

職業診断が芸術家タイプという名のオブラートに包んでやんわり「社会生活向いてない」と現実を突きつけてくるという話をどこかで聞いたが、自分がそれだ。

向上心皆無の自分は、ここで頑張って上手くなろうという発想に至らない。

ついに「無理」の気持ちが大爆発した。

時間をかけたとかたくさん反応をもらえたものだけ倉庫的なサイトに移動させ、

汚い気持ち悪いと思いながらカメラロールに保存したばかりの自分のかいたものを削除し、

ツイートをツールで一括削除した。

 

手は震えていたけど、正直、すごくすっきりした。

落ち着いている今もこれでよかったと思っている。

3ヶ月以上前にかいたものも気持ち悪いと思っていたのは事実だが、RTや♡を貰えばやっぱり嬉しかった。

失敗談を笑ってくれ!!と勢いに任せて描いたら面白いと言ってもらえたし、たった2枚の絵を高速でループさせたGIFはRT先でコメントをたくさんもらえた。

嫌い嫌いといいつつも褒められたものはこっそり残して封印しておくあたり、なんというか自分は綺麗な人間ではないのかなぁと思う(みんなそんなもんだよ、と言われればすぐ立ち直るんだろうが)。

 

 

趣味ってなんだったんだろう。

好きでやっていたはずのおえかきを辞めたらかつてなくスッキリした。

「かいたものが埋まらないように、ゲームのスクショは10時間経ったら消す」というマイルールはいつの間にか撤廃された。

ごくごく稀に気が向いてお絵描きアプリを開き、さらに稀に許容範囲内のものができたら、SNSに載せるか倉庫サイトに片付けて、それから開いていない。3ヶ月で生き残ったのは2つ。アプリ内のギャラリーからはとっくに消えている。

自作のアイコンを外し、大好きな相互フォロワーが描いてくれたアイコンを使っている。ずっとこのままにしたい。

ご飯を全部食べられるようになったし、バイトも始めた。

 

 

おえかきの何がどう自分に影響していたかは分からない。

ただ、もしかしたら、こいつは趣味というほど大したものでもなかったかもしれないと思う。

古紙にする落書きくらいのちょっとした暇つぶしだ。

気に入らなかったら捨てていいし、いいじゃんこれ、と思ったら引き出しにでも突っ込んどけばいい。

「趣味はえをかくことです」って宣言して、絵を描くことを趣味としている人間として上手に綺麗に描かなきゃいけないと思ってたのか。

もしくは、ネット上で評価されなきゃ意味がないとか思ってたのか。

小さい脳みそではその辺はわからないが、自分にとっては人生に関わるような重要なものではなかったらしいから、深く考えても仕方ないんだろう。

 

今回の件はもう長い付き合いだったおえかきとサヨナラバイバイする初めての機会だったので、学ぶところも多かったし、色々と考えてしまった。

 

 

結局わかったことといえば、チラシの裏を褒めてくれるフォロワーはやはりママだなってことくらいでした。

収集つかなくなってきたので、おわり‼️